トマ・ピケティ(Thomas Piketty)が分析する日本の未来

世界中で100万部を超えるベストセラーとなった著書「LE CAPITAL AU XXIe SIECLE」(邦訳「21世紀の資本」)を持つトマ・ピケティが1月29日より来日し、日本の未来への発言が話題を呼んでいる。

トマ・ピケティ(Thomas Piketty)とは

Thomas Piketty

Thomas Piketty

トマ・ピケティ(Thomas Piketty、1971年5月7日 – )は、フランスの経済学者。クリシー出身。経済学博士。パリの高等師範学校の出身で、経済的不平等の専門家であり、特に歴史比較の観点からの研究を行っている。2002年にフランス最優秀若手経済学者賞 (Prix du meilleur jeune economiste de France) を受賞。パリ経済学校 (Ecole d’economie de Paris, EEP) 設立の中心人物であり、現在はその教授である。また、社会科学高等研究院 (EHESS)の研究代表者でもある。政治的にはフランスの社会党に近い立場をとる。(Wikipediaより引用)

 

ピケティの法則 「r>g」

ピケティが唱えた法則「r>g」は、
資本収益率(r)は経済成長率(g)を常に上回るという非常にシンプルなものだ。

要するに、資本主義社会において、土地や不動産、金融資産などから得られる収益の上昇は、労働によって得られる賃金の上昇より、常に大きい。

ということ。

既に多くの資産を持っている富裕層は、さらに優雅になり、労働者はいつになっても富裕層に追いつくことがない。むしろ、その格差は開く一方である。

と言っている。

この法則は、ピケティ氏が推測で言っているのではなく、世界20か国以上、過去200年以上の税務当局のデータを15年かけて、分析し、導いた答えである。

 

では、日本の未来はどうなるのか?

ぼく自身「21世紀の資本」を読んだが、
日本について多くは書かれていなかったのを知っている。

当然、ピケティ氏の来日によって、日本の今後の格差について、多くの質問があったようだ。

 

そこで、ピケティ氏は日本の未来についてこう提言した。

「格差拡大を抑えるためには、若い世代を優遇したうえで、累進課税を強化し、
トップの所得の税率を上げるべきだ」

 

また、アベノミクス効果をアピールしたい日本の政治家と
ピケティ氏の主張の真っ向対立もおもしろかった。

 

経済成長率の低い日本でも富裕層は所得が増えている

1月29日のシンポジウムではこんなやりとりもあった。

たしかに、日本の格差はアメリカほどではないが、上位10%の富裕層の所得は、国民所得全体の30~40%まで上がってきており、さらに上昇傾向にある。

しかも、日本はゼロに近い低成長なのに上位の所得が増えているということは、実質的に購買力を減らしている人がいるということだ。

おまけに累進課税の最高税率も低い。

国際的水準で見ても、日本の過去の税率と比べてみても。

つまり、トップの所得シェアが増えているのに以前より低い税率しか
納めていないということだ。 (ピケティ氏の発言)

 

これには、先に、アベノミクス効果による格差拡大の誤解を解きたかった、
内閣府副大臣の西村氏もタジタジのようだった。

「雇用者100万人増」というのは、安部首相もよくアピールしている点ではあるが、実際のデータを見れば、上位10%の富裕層は、所得を増やしながらも、税金をあまり払っていないことになる。

 

格差が拡がることの何がいけないのか?

ピケティ氏は、累進課税の強化を勧めているが、
格差が拡がることの何がいけないのだろうか。

ぼくも含めた若い世代の労働者が、富裕層の仲間に入るには、
少し難しい時代になっているのかもしれない。

しかし、これまで頑張った人間が報われる社会の何が悪いのだろうか?

 

極論、格差をゼロにするというのは、資本主義において競争が無くなるということ。

頑張った人が報われないということ。

(※もちろん、低所得者が頑張っていないというわけではない)

 

最後に、ピケティ氏は、今、世界だけでなく、日本でも格差に対する関心が高まっている状況について、

「多くの人たちが、統計を見るまでもなく、富裕層のほうが中間層などよりも所得が増えていると感じている。とりわけ成長率が低い国では不平等を感じるのだ。」

と述べている。
単純な所得の格差だけでなく、世代間における格差、
チャンスの不平等が一番の問題なのかもしれない。

 

<参考書籍>
  

– Yuki

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